テクニカルセンター
当社は、放射性物質分析技術者を育成するため、2005年に「分析実習室」を整備しました。2019年にはマスタースレーブ(MS)マニプレーターを導入し、放射線管理区域の作業環境を模擬した教育訓練の場として、「アセンドテクニカルセンター」の運用を開始しました。
2024年に建物を増築し、更なるスキルアップを目的に最新鋭分析機器を導入するとともに、座学スペースや大型TVモニターを設置するなど、全面的にリニューアルしました。
マスタースレーブ(MS)マニプレーター
MSマニプレーターを設置し、遠隔操作による分析試料や分析機器の取り扱い訓練を行っています。
【主な訓練内容】
- 立体組み立て訓練
- セッティング訓練
- ピンセット訓練
- 試料注ぎ訓練
- 筆記訓練
- ボルト締め訓練
グローブボックス
訓練用グローブボックス・高周波シーラを用いて、操作性の訓練および各種部材の交換訓練などを行っています。
【主な訓練内容】
- グローブ交換訓練 クランプ式(PNCⅡ型)
- グローブ交換訓練 押し込み式(PNCⅢ型)
- 排気フィルター交換訓練
- グローブボックス内物品の搬出入訓練
- ビニールバッグ(PVC)の溶着作業
分析機器
基礎的な分析作業に必要な各種機器を設置し、分析技術者の育成訓練を行っています。
- Ge半導体検出器
- 自動滴定装置
- スタンダード電極(pH9)セット
- 高周波焼付け装置
【新たに導入した機器】
マルチタイプICP発光分光分析装置
ジルコニウム等使用済核燃料再処理試験試料の元素分析、福島第一原子力発電所の滞留水処理時に発生する残渣や吸着剤の元素分析に使用しています。
紫外可視分光光度計
使用済核燃料再処理試験試料、再処理工程及び放射性廃液中のウラン・プルトニウムの分析に使用しています。
液体シンチレーションカウンター
トリチウムや放射性炭素など低エネルギーのβ線放出核種の測定に広く使用しています。福島第一原子力発電所構内に貯蔵されている滞留水に含まれるトリチウム(β線)の測定に使用しています。
ドラフトチェンバー
空中に浮遊する放射性微粒子や有害なガスが室内に拡散しないよう、局所排気を行いながら作業を行います。汚染を拡散させないよう試料の秤量・分取・希釈等の前処理、試料や廃棄物の搬出等、一連の動作訓練を行います。
【放射線管理・遠隔技術研修用機材】
測定機器分析実習用機材
ドローン
【展示物】
ウランガラス
ウランは、紫外線を受けると緑色の蛍光に光る特徴を持っています。この特徴を利用し、天然のウランを着色材として使用したものが、ウランガラスです。ウランガラスは、19世紀の中頃から20世紀の中頃にかけて欧米や日本で花瓶、アクセサリー等がたくさん作られ、大変人気があったガラスです。近年では、日本の岡山県やチェコ・アメリカのガラス工房で生産されていますが、その量は僅かで貴重なガラスです。
こういった、自然界に存在する放射線を身近に感じてもらうため、ウランガラスの展示を行っています。